昔から感じてきたことですが、最近ブームになっている
「脳科学」の書物、出版物を読むと、やはりそうだったかと
感じることがあります。
そのひとつが、苦手意識と喰わず嫌いの関係。
わたくしは、「苦手意識スパイラルの崩し方法」という言い方で、
数年前より生徒や保護者にお話ししています。
本日は、すこし長い文章になりますが、イッセイ会の指導方針の
なかで重要な部分になりますので、おつきあいください。
指導してきた生徒に共通していることですが、
苦手意識を持った項目、単元、その単元の一行題や文章題などで
最初に生徒が苦手と感じたジャンルの問題は、そのひとつひとつ
の問題に対し、お世話の仕方、糸口、求解方法、仕上げを指導しても
その場では解決したように見えて、数日後に同系統の問題に挑戦させ
てみると、全く解けない。
解けたとしても計算ミスやケアレスミスが多い。
苦手意識を持っていない場合と比較して、明らかに際立って
発生します。なぜ、このようになるのか。
成績上位の生徒も中位の生徒も同じようには発生する
苦手意識のスパイラル。
この状況が続くと、保護者の方は「うちの子は、ここまでの
学力なのだから」と半ば諦め感を抱き、志望校ランクを下げるように
なるのではないでしょうか。
苦手意識は大きい対象では、算数や理科といった科目でも発生しますし、
数の性質、立体図形といった単元でも発生します。さらに数の性質という
単元のなかの順列という項目や立体図形という単元のなかの水槽内に錘を
入れた場合の水の水位の関係という単元についてのみで発生することも
あります。
苦手な個々の問題だから、その問題の解き方を教えてもらい、さらに
同様の問題を数多く練習する。しかし、単元テストや模試では「苦労の
甲斐もなく正答できない」。このようなことは、みなさんのお子さんでも
起きていませか?
他人と比較しずらい、ご自分のお子さんの習得ペースに関することですので、
これがお子さんの学習到達度合い、すなわちお子さんのレベルとお感じになるでしょう。
しかし、わたくしから見ますと、実は誰にでも発生する学習脳のメカニズムに
感じてなりませんでした。
わたくしは、大脳生理学者でも脳外科医でもありません。大学在学中に
心理学は学びましたが、この苦手意識に関するメカニズムを解き明かすこと
はできませんでした。
しかしながら、かなり以前より、仮説をたてて、その仮説にそって指導を
してきましたが、最近の専門家による脳科学のメカニズム検証で、
わたくしの仮説が正しかったことがはっきりしたのです。
専門家による脳科学の検証では、苦手意識を感じた対象は、「嫌い」なことであり、
苦手=嫌いと感情をいだいた対象は、「受け入れないでよい」という脳の仕組みが
その後を左右する。
だから、たくさん復習しても身につかない。
10年ほど前より、問題を解く際に「苦手」という言葉を使った生徒に必ず行う
質問をしてきました。
その苦手な問題に挑戦するとき、
・頭の中はどんな感じになるの?
・心(気持ち)はどのように感じになるの?
この2つの質問に対し、前者は、頭が真っ白くなる、何から手をつけるか
分からない、問題の意味すら分からない、という返事が上位を占めました。
後者は、自分にはできない、教えてもらいたい、大嫌い、などの返事に
なります。
このことから、わたくしは、苦手意識を持った瞬間から、=嫌い→拒絶または
思考停止、受け入れ拒否、他者に替わりにやってもらう、という脳の当たり前の
仕組みが関係しているのではないかと仮説をたてたのです。
ですから、苦手意識の問題を指導した後は、「これでこの系統の問題は、苦手では
なく得意問題になったね」とか、「これで、これからは、この系統の問題はテストに
でたらラッキー問題になったね」とプラス思考の暗示をかけるようにしてきたのです。
また、このような問題がテストに出たら、解き始める前に、心の中で「ラッキー
問題だ」と必ず叫ぶように指導してきました。
ウソのような話しに感じるでしょうが、たったこれだけのことで、解答率は上昇
します。理由は簡単、いままで受け入れ拒否してきた脳が、拒否せずに反応した
だけです。「ラッキー」と感じて問題を受け入れるだけで、これまでの経験を活かし
学習脳の回路がフル回転して解答を導くのです。
ラッキー→好き→好きだからどんな手を使っても答えまで導く。
単純な脳の働きです。
これまで、仮説を頼りに、わたくし自信の仮説と信念をつら抜いて指導してきましたが
最近の脳科学の解明で、胸のつかえが取れた感があります。
脳科学の学術発表から、さらに詳細なアプローチは、次回にお話ししたいと思いますが
とにかく、お子さんが苦手意識を持ったら、口にしたら、同じ問題をたくさん練習して、克服する
という物理的な対応も必要ですが、最初に「もうできる。ラッキー問題になった」と
意識できるようになるよう暗示にかけることが大切です。
これが苦手意識スパイラルからの脱出方法。
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